広く知られている壷口瀑布は陝西省宜川県にある秦晋大峡谷の一部であり、「金色の滝」とも賞賛されています。滝の両側には、青々とした連山が高くそびえ、奇妙な形の岩が突き出ています。滝は怒涛のように流れ落ち、その勢いは海へも届くほどです。またその轟音に耳を塞がれ、とても迫力があります。まるでその音はライオンの吠え声か雷のようで、遠く離れても聞くことができます。名高い壷口風景区は中国国内でも名勝地トップ40の一つで、中国国家級の観光地としても選ばれています。
壷口瀑布は陝西省の北部にある『信天遊』(中国の北西地域に広く伝わっている民謡の一つ)のように、形式にとらわれず自由奔放な姿をしています。川幅約400mの大きさで緩やかに流れるの黄河の河床が急に狭まり、40mほどの巨大な滝つぼに流れ落ちる様子にちなみ「壷口」と名付けられました。
上から水が滝つぼに落ちる様子を見ていると、そこから噴出すように水がしぶきをあげ水蒸気がもうもうとたちこめます。一方、滝の下から仰ぎ見ると、天から黄河が湧き出てくるようです。滝の近くにある大きい岩の上に立てば、滝の水の轟音を聴きながら、見渡す限りに広がる黄色く濁った水が荒れ狂う姿には息を呑んでしまいます。もし運よく天気が良い日であれば虹が現れることもあります。その様子は長い虹が水をくみ上げるように、もしくは縁で結ばれるような姿を呈し、見えたり隠れたりとまるで夢のようです。そんな虹を見れば、どんな嫌なことも忘れてしまうでしょう。
壷口瀑布は季節によって景色が変わります。春になると水中の氷が溶け、その音はまるで耳をつんざくほどです。夏と秋になると、雨が豊富に降りるので、滝の幅は100m余りに広がります。この時期、滝の勢いは最も盛んです。冬には、氷結している真っ白な滝の姿はまるで上品で細長いの絹織物のようです。