赤壁

　赤壁は赤壁鎮に位置しています。船で長江を下り、三峡を越え、宜昌を過ぎると、山の切り立った崖の褐色の岩の上に、大きな字で「赤壁」と書いてあるのが目に入ります。ここは、三国時代の有名な古戦場です。

赤壁の戦い

　後漢の建安13年（元の208年）、曹操率いる２０数万の大軍は南下し新野と襄陽を攻略して、江陵より川の流れに沿って東に向かいました。それに対して、孫権は劉備の５万の連合軍とともに、川の流れに逆らって西に向かい、両軍は赤壁で戦い、孫権・劉備連合軍がが勝利を収めました。

　形勢が不利な曹操軍は、川の北に引き返し、烏林（現在の洪湖県の烏林の人民公社）に兵隊を駐屯させて、孫権・劉備連合軍と川を隔てて対峙しました。孫権・劉備連合軍は東南の風を利用し、火を点した松明を持ち、曹操軍の水寨を火攻めで攻撃しました。曹操軍の船は一気に燃え尽き、その燃え上がる炎で岸壁が真っ赤に染まったことから、「赤壁」という名が付きました。孫権・劉備連合軍は勢いに乗り攻撃を続けたため、曹操軍は残りの部下をつれて江陵より退散しました。

　この戦いは、魏呉蜀天下分け目の戦いで、中国の歴史上で有名な赤壁の戦いです。

「赤壁の戦」の場所をめぐっての論争

　「赤壁の戦」の場所をめぐっての論争は数百年も続いています。学者達は各種の証拠を並べて自分の主張する場所を唱えているので、「新たな赤壁の戦」と呼ばれているようになりました。今は少なくとも七種の主張があるとされています。それぞれは蒲圻、黄州、鐘祥、武昌、漢陽、漢川、嘉魚という主張で、中には蒲圻と嘉魚の両地の主張は現代的な観点からして最も有力だとされています。歴史学上の出版物と発見された文物証拠によると、蒲圻は最も有力とされているそうです。今の赤壁市は1998年に湖北省の咸寧市の蒲市から改名されてきました。

赤壁の観光地

　赤壁観光地は赤壁山、南屏山、金鸞山の三山からなっています。以下は主要な観光スポットをご紹介します。

赤壁懸崖彫刻

　赤壁山には川に面している懸崖に、彫刻された「赤壁」という二つの文字があり、各字の長さは150cm、幅は104cmとなっています。聞くところによると、「赤壁の戦」の時、周瑜は兵士を率いて曹操の軍隊を破ってから、酒で祝い、ほろ酔い気分の余り剣で懸崖に「赤壁」という二つの文字を刻み残しました。実際はこの二つの文字は唐の時代の人による彫刻された物で、何千年に風雨に晒されても、大波に洗われても、今でも書かれた文字はきれいにはっきりと残されています。

翼江亭

　翼江亭は赤壁山の川の磯辺に位置し、1936年に建てられました。「赤壁の戦」に周瑜の指揮場だそうで、この亭の手すりにもたれて対岸を眺めると烏林（当時曹操の軍隊が駐屯した大本営）を見渡すことができます。翼江亭は1936年に立て直され、花崗岩の構造で、屋根は瑠璃の瓦で覆われ、6本の柱で支えられ、6角形をなしています。赤壁山と鉄山は鯤鵬（中国の神話の大鳥）の両翼と似てるので、翼江亭と命名されました。

拝風台

　拝風台は武侯宮とも呼ばれています。赤壁山東南部にある南屏山の山頂に位置し、「赤壁の戦」の時、諸葛武侯はここで祭壇を設け、東風を利用して曹操の軍隊を破ったのを記念するため建てられました。

　拝風台の建築面積は310平方メートルで、前後二つの宮殿があり、劉備、関羽、張飛、諸葛亮の全身像を供えています。左側には文物陳列館があり、1979年に建てられ、中には1000枚以上の文物が展示され、刀、槍、剣、矛、戈、装身具及び銅制貨幣のほか、東漢の銅鏡と東漢、三国時代の陶磁器も多く陳列されました。右側には観光客を休憩させるため、1975年「東風閣」が建てられました。

周瑜の石像

　三国東呉の都督である周瑜の石像は赤壁の磯辺の広々とした所に立っています。この石像は1991年の1月に設置された物で、周瑜は剣を手に持ち、眼光鋭く、曹操の20万余人の強敵に何ものも恐れない表情をし、周瑜の英雄的な気概を生き生きと彫刻されました。

鳳雛庵

　南屏山東南部の金鸞山上に位置し、「赤壁の戦」の時、又の名を鳳雛先生と呼ばれる庞統の兵書をチェックするところで、後世の人は庞統を記念するためにこの鳳雛庵を建てました。鳳雛庵の外には千年もある銀杏の木が一本あり、枝葉が非常に茂って、まるで大きな傘のように、鳳雛庵を風雨から守っています。

観光ガイド

住所：湖北省赤壁市赤壁鎮三国赤壁古戦場。
旅行に最適な時期：春、夏、秋の三シーズンは旅行にふさわしい時期です。
営業時間：8:30～18:00
交通アクセス：武漢からバス或いは列車で赤壁市に到着後、列車駅の近くにあるバス2番線で金三角駅まで下車して200ｍ徒歩で西門バスターミナル（市委党校の隣）に行き、あそこは赤壁古戦場までの直行バスをお乗りください。