「川主寺」という町は松潘県の北部、県城から17キロメートルのところに位置しています。標高の平均が2980メートル、面積が1143.15平方メートルで、総人口は6315人です。高原温帯気候に属しているので乾燥していて寒く、昼夜の気温差が大きいです。雨量は多く牧草がとてもよく育っているので、景色はきれいです。多くの緑に覆われていて資源も豊かです。川主寺町は九寨溝、黄龍、大草原や大唐松州に行くための交通の要所で、四川省を通る四つの幹線道路が延びています。地理的位置がよく、豊富な観光資源と特色ある民俗文化を持っている町だと言われています。川主寺町は地形が平坦で面積も広く、チベット族、チャン(羌)族、回族、漢族などの多民族の人々が集まっています。1000年以上の歴史がある多民族の町です。
川主寺町は「川主寺」という寺が町の名の由来になっています。川主寺は公元270年に創建し「本钵教」(チベット仏教の一つ)に属しています。解放時には合計86の部屋があり総面積は27ムーもありました。大きな神殿は美しく装飾され、雄大で壮観です。当時の寺には、さまざまな土人形の菩薩2018体、銅製した菩薩1025体、木で彫刻された菩薩128体が祭られていました。そのほか、銀のチャルメラ4個、ウワバミのようなラッパ4組、「唐卡」350枚、経書3250巻、舎利塔2座、マニ車524個もありました。文化大革命の時に寺院と財産は破壊され、寺の宝物や一部の文物と経書だけが残りました。1997年、人民政府の許可がおり再建されました。
青い空と白い雲の下、観光客の人通りが絶えません。多民族の雰囲気が溢れる民家、ホテル、商店などの建物が並んでいます。時折、チベットの歌が聞こえてきたり、鷹が空を飛び回る姿を目にします。山並みが美しく、川の水がキラキラと輝いています。夕焼けが眩しい頃になると、牛飼いたちは放牧を終え、牛や羊を連れて村に帰ります。町のあちこちでは煙突から煙が立ちのぼり、静かで穏やかな田園風景になります。四川省北西部の観光産業の発展につれて、川主寺町は新しい高原旅行の町になり、宿泊施設、レストラン、土産物店、娯楽施設などが整備され、充実した旅をサポートしています。川の両側に点在する村、チベット族の独特な建物、工芸品、寺院、歌舞は、四川省北西部の高原の景色とともに多くの観光客を引きつけています。2003年、国家によって「中国国情を代表する町」と評価され、「高原真珠」だとも称えられています。
注釈:唐卡というのは、チベット語から音訳された読み方である。多彩の緞子で表装されてから、祭りのため掛けられる宗教巻物のこと。唐卡は、チベット文化における独特な絵画でチベットの歴史、政治、文化、及び社会生活などの様々な題材と内容に関連しています。チベット民族の百科事典だとも言われています。