中国の列車と座席の種類

中国の列車は速度とサービスによって様々な種類に分けられ、それぞれは列車番号で表示されています。

高速列車

　中国では、高速鉄道網（HSR）として、平均時速200km/h以上の鉄道サービスが提供されています。列車にはG、D、Cといった３種類があります。それぞれの設備と外観はよく似ており新しく現代的です。新幹線の車体は白です。乗客は、英字の頭文字から取られた、異なる種類の高速鉄道を目にすることができます。

　Ｇ、Ｄ、Ｃ列車は共に新型設備を完備している現代的な列車で、設備からいうとさほど差はありません。車内には食堂車とミニバーもあります。エアコンも完備、床も全てカーペット敷きで、環境はよいです。その他、座席も自由に調整できます。洋式のトイレもあり、洗面所では温水も使えます。体の不自由の方と子供のために、特別なトイレも用意されています。

Ｇ列車とＤ列車の座席

ビジネスクラスは最も高級で値段も一番高いです。列の間のスペースは広々としており2mほどです。一列は3席でフルリクライニングシートなのでゆったりとした時間を過ごすことができます。

特等席は高速列車では最も快適な座席で、見晴らしも素晴らしいです。二つの席の間隔は2メートルもあり、広くて快適です。片側に１席、通路を挟んで反対側には２席があります。特等席は一部の高速列車（Ｇ列車）にしかありません。

一等席はそこそこの値段で快適な旅行をしたい方にお勧めです。ビジネスクラスやスーペリアシートより安く、二等席よりも座席は広いです。各列４席あります。

二等席は一般的な最も安い座席です。価格を抑えた旅行を計画されている方にお勧めです。各列に５席を設置しております。

長距離の夜間列車（Ｄ列車）には寝台席もあります（Ｇ列車には寝台席はありません）。北京から上海までのＤ列車では軟臥（A寝台）（一つのコンパートに四つの寝台がある）があるほか、一部の列車（Ｄ３１３とＤ３１４）には豪華寝台（一つのコンパートに二つの寝台。）もあり、運賃はA寝台の2倍ですが二人連れにおすすめです。

Ｇ列車とＤ列車の座席の番号

高速列車の座席番号は全てがアルファベットの順序通りではありません。飛行機でもAとFが窓際の席、CとDが通路の席となっているように列車でも二等席の車両は3列＋２列の構造ですから、EがなくABC-DFとなっています。同様に一等席の車両は２列＋2列の構造なのでＢとEがなくAC-DFになっています。特等席では２列＋１列なのでAC-Fで座席を表示しています。

Ｚ、Ｔ、Ｋ列車

Ｚ、Ｔ、Ｋ列車は外観、車内の設備、それぞれの同種の座席の運賃は大体同じで、列車は新しければ新しいほど快適です。

Ｚ列車－直行列車

多くのＺ列車は夜行列車なので、全て寝台車で編成されている列車も少なくはありません。列車によっては軟臥（豪華寝台もある）しかないものもあります。中国の主要都市である北京、上海、西安、武漢、深セン、杭州、寧波の駅ではＺ列車はよく見られます。

Ｚ列車は一般的に160 km/h（99.4 miles/h）で運行します。直行便と言ってもいくつかの大きな駅に停車する列車もあります。

Ｚ列車は安く、時間の節約にもなります。北京－西安の列車では、Ｇ列車の二等席は$86、所要時間は5時間44分（昼）です。それに対しＺ列車は運賃$70、夜の20:43に出発し、翌朝の07:58に到着します。夜行列車なのでお金だけではなく、時間も節約できます。

Ｔ列車－特別快速列車

上記の列車以外にもＴ列車の夜間列車があります。同じ北京から西安までの場合、Ｔ列車の所要時間はＺ列車より1時間半多くかかります。

Ｔ列車は普段140 km/h （87 miles/h）の速さで運行し、途中でいくつかの大都市の駅や連絡駅に停車します。そのためこの列車でもほとんどの大きな都市に行くことができます。Ｔ列車はエアコン完備で、座席（軟席と硬席）と寝台（軟臥と硬臥）を選ぶことができます。

K列車－快速列車

Ｋ列車は120 km/h （74.6 miles/h）の速さで運行しています。Ｋ列車の停車駅はＺ列車より多く、大都市のほか途中を経由する大きな町にも停車します。この列車には座席（軟席と硬席）と寝台（軟臥と硬臥）があります。車内環境は上記の他の列車ほど良くありません。エアコンのないものもあります。

Ｚ、Ｔ、Ｋ列車の座席の種類

硬座席（いつも混雑していて、うるさく少し臭いです。）

硬座席は一番安い座席で、いつも混雑しています。できれば乗らないほうがよいでしょう。硬席は名の通り硬くて狭く、エアコンもありません。さらには車内での喫煙もできるためあまりいい環境とはいえないでしょう。寝台車の管理も不十分で、盗難もよくあります。

軟席（乗車時間が5時間以内ならば軟席に乗ってみるのもいいでしょう。）

中国の旧式の列車では平日には軟席はありません。ただ中国の春節などの繁忙期には列車の寝台を取り外して、軟席を取り付けます。3~4人が一つの長い席に座り、向かい合わせにも同様に3~4人が座ります。車内の環境は快適とはいえません。座席の背もたれもよくないので長時間座ると疲れます。しかし硬席と比べ、きれいなので短時間の旅なら乗ってみるのもよいでしょう。

軟席の車両内は禁煙ですが、両車の連結部では喫煙が許されています。軟席の料金は硬臥（Ｂ寝台）と同じぐらいです。普段、他の座席が売り切れてしまった時や春節の時だけ発売されます。

硬臥（B寝台）（長時間の旅にふさわしい）

硬臥は夜間や長時間の旅の時に乗るとよいでしょう。硬臥のコンパートは開放的で、三段（上、中、下）の寝台が左右二列に並んでいます。寝台には枕、ブランケットなどの寝具が用意されています。昼間はうるさいですが、夜になると(消灯後)静かになります。

寝台の値段は上段、中段、下段によってちょっと違います。下が一番高く、上は一番安いです。上は天井まで60ｃｍしかなく、登るのも大変なのであまり人気がありません。

下は座ることもでき、本を読んだり、iPadでゲームをやったり、友達とおしゃべりをしたりして過ごすことができます。昼間、もし下の乗客が寝ていなければ、上の２人も下に座ることができます。

通路には一つのコンパートにつき一つの椅子も備え付けられています。そこで外の景色を眺めるのもよいでしょう。そして一つのコンパートに1つの小さいテレビがあります。車内はエアコン付きで、トイレもまあまあです。車内は禁煙ですが、車両の連結部ではタバコを吸うことができます。

軟臥

軟臥は夜間や長時間の旅の時にふさわしいです。軟臥のコンパートにはドアがあり、ベッドは上、下２段で左右に二列並んでいます。軟臥の寝台は広くて気持ちよく眠れます。列車によって軟臥も多種多様で、荷物は上の網棚と寝台の下にも置け、また直接寝台に置いてもよいでしょう。

運賃は下段のほうが上段よりずいぶん高いですが、その価値はあります。なぜかというと下段は窓越しに外の景色を楽しむことができるからです。それに対して上段は窓がありません。もし夜行なら窓のあるなしは大した問題ではありませんが、もし日中なら下段がよいでしょう。

様々なルームメイトと出会うのもおもしろいものです。軟臥はチケットも高いので商売人や富裕層の家族、学生などが多く利用しています。そのため英語を話せる人も少なくありません。

デラックス寝台（高包）

デラックス寝台は最も高級な寝台で、その費用も軟臥よりずいぶん高いです。ここは二人連れの旅行者にはぴったりです。個室になっていて安全です。しかしこのような車両は全ての列車にあるわけではなく一部のＺ列車、T列車、夜間運行のＤ列車しかありません。

コンパートメントは独立していて、中には2つの寝台あり清潔で快適です。コンパートメントの構造にもいろいろあって、寝台が部屋の隅に2つ置かれ、反対側にはソファーのあるものや部屋の両側にそれぞれ二つの寝台があるものもあります。

車内には洋式のトイレがあり清潔です。運がよければコンパートメントの中にも洗面所とトイレが取り付けられているのもあります。床は全てカーペットで覆われ、液晶テレビ、机、クローゼットが備え付けられています。

他の普通列車

数字でしか表示されていない列車は中国の一番古い列車でおすすめできません。このような列車は各駅停車で、もちろん運賃も一番安いです。そして他の車両の通過待ちなどもあります。列車の機関車の部分は一般的には緑色で、（車両も緑色の列車もあります。）四つの数字で表示されています。以下の二種類に分けられることができます。

列車番号が1001から5998までの列車の40％はエアコン付きで、残りは扇風機しかありません。このような列車は都市の駅だけではなく、町や鎮の駅にも停車します。

列車番号が6001から7598の列車は市町村を問わず各駅停車で、運賃も非常に安いです。（夏は扇風機だけです。）