湖北省武漢市の東湖の畔にある湖北省博物館は1953年に建てられた湖北省で唯一の省クラスの総合的博物館で、中国全土で中央と当地政府が共同で建てた八つある博物館の一つです。湖北省博物館の敷地面積は81,909平方メートルで、うち建築面積は49,611平方メートルあります。収蔵されている20万点余りの文物のうち一級文物の数が1,000点を超えています。そして同博物館には中国で最も大きな古楽器の陳列館が設けられています。
展示館は編鐘館、楚文化館、総合陳列楼に分かれています。それらの建築物は真ん中を中心にして左右対称の楚の時代の建築風格で作られました。館内の建物と調和を採るため館外は庭園のように作られ、とても優雅で気持ちのよい空間です。
湖北省博物館には特色あふれる珍しい収蔵品が豊富に揃っています。たとえば陶器、磁器、青銅器、古代文字資料の竹簡、兵器、古楽器、金玉器、銀製品などがあります。そしてこれらの収蔵品から湖北省の原始時代から各時代の社会発展と人々の生活状況を見ることができ、歴史、文化、科学分野における価値が極めて高いです。さらに同博物館は研究分野で相次いで顕著な成果をあげ、世界的にも有名です。
越王勾践の剣、曾候乙墓の編鐘、郧県人頭骨化石I号、元の時代の青花磁器「四愛図瓶」は同博物館の四大重要展示品です
越王勾践の剣
越王勾践の剣:1965年に江陵望山墓一号に発掘された越王勾践の剣は春秋時代晩期に作られました。長さ55.7cmの青銅剣です。千年経った現在でも全然、錆びていません。
編鐘
曾候乙墓の編鐘:1978年に湖北省の随県にある曽侯乙墓から発掘された曾候乙の編鐘は中国紀元前の最も珍しい楽器と言われています。 編鐘を支える台は高さ265cm、長さ748cmで三層八組に分かれ、合計65の鐘が付いています。 最大の鐘は高さ152.3cm、重量203.6cm、最小のもので高さ20.4cm、重量2.4キロあり編鐘そのものの重量は合計約2,567キロにも達します。編鐘に描かれた精緻な鋳造工芸からは戦国時代(紀元前475~前221年)にはすでに青銅技術が絶頂期に達していたことを証明し、また当時の中国にすでに七音音階が存在していたことも証明しています。
頭骨化石
郧県人頭骨化石I号:縦16cm、幅26cmの郧県人頭骨化石I号は1989年に湖北省の郧県で出土した旧石器時代の古人類の頭蓋骨です。これは湖北省初の人の頭蓋骨の発見です。元の時代の青花磁器「四愛図瓶」: 2006年に出土され、高さは38.7cm、花瓶の口径は直径6.4cm、底の直径は13cmの元の時代に焼かれた上等の青花磁器には「四愛図」(すなわち、王羲之が好む蘭、陶淵明が好む菊、周敦頤が好む蓮、林和靖が好む梅と鶴)が描かれており、そのため「四愛図瓶」と名づけられました。