千年の歴史ある都の腕利きの職人たちによって北京の工芸品は中華民族の工芸の精髄になっています。北京の工芸品の代表ともいえる景泰藍、玉器、彫漆、内絵付き嗅ぎタバコ入れなどの高級工芸品など。また「老北京」民俗風味に富んだ面人、宮灯、凧、紙きりなどの民間工芸品;力強い書道、芸韻濃厚な伝統中国画、細工が巧みな彫刻の印章など、いずれをとっても北京逸品の素晴らしさが表現されています。
景泰藍
景泰藍は琺瑯ともいい、その製造の歴史は中国の元代までさかのぼります。明代の景泰年間に最盛期を迎え、釉薬の色は青いもの(マクジャクの青とサファイアの青)が多かったために当時は『景泰藍』と呼ばれていました。 古代の景泰藍は主に王侯貴族のみで使われていました。当時は権力と地位の象徴でした。北京の人々は景泰藍工芸品で居間を飾るのが好きで、おしゃれな女性は美しい景泰藍の腕輪や景泰藍のイヤリングなどで着飾ります。
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内絵付き嗅ぎタバコ入れ
内絵付き嗅ぎタバコ入れは中国特有の伝統的な工芸品です。清代の嘉慶年間に製造が始まり、約200年の歴史があります。中国の芸術界の輝く真珠と評されています。一般的に内絵付き嗅ぎタバコ入れはガラス、クリスタル、瑪瑙や翡翠などのような半透明の材料で作られています。精巧な飾り物のように内絵付き嗅ぎタバコ入れの細工は巧みで、独特の風格があり古めかしく、飾り気がないところも魅力で国内外に名高いです。
玉器
玉器
数千年にわたり、中国人はいつも玉器をプレゼントや飾り物にしてきました。特に王侯貴族は玉器を地位の象徴と見なし、常に身につけていました。そのため北京は中国における玉器の中心地になりました。大きさによって二種類に分けられます。玉の炉、玉の瓶、茶の具、人物や鳥獣などの大型玉器と指輪、ネックレス、印章やパイプなどの小型玉器です。
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彫漆
彫漆の主な技法は彫刻で、原料は漆です。それゆえ「彫漆」と呼ばれています。北京彫漆には金属胎と非金属胎という二種類があります。一般的に金属胎は琺瑯の生地で、非金属胎は漆の生地です。彫漆の制作工程はとても複雑で、どの工程も技術レベルが高いものです。彫漆の配色は試行錯誤し生み出されたものです。防湿、耐熱、耐アルカリ、不変形や不変質の特徴があり、とても人気があります。
面人
面人
北京面人は面塑とも呼ばれ、造りは単純ですが芸術性の高い民間工芸品です。主な材料は小麦粉ともち米で、生地を手で練って、揉んで、竹の刀で切って、様々な人物あるいは動物の形を作ります。あっという間に出来上がります。面塑は小さいものなので持ち運びも簡単です。変形せず色褪せないためお土産にぴったりです。
宮灯
北京の宮灯は精巧に作られています。材料に工夫を凝らし、枠を作るには紅木、檀木、花梨木などの良い材料を選び、飾りには彩絵、玻璃糸、紗絹を用いています。正月の十五日「上元灯節」になると街中には色とりどりの提灯が飾られ、楽しくておめでたい祝日の雰囲気に満ち溢れます。そのほか北京には絹画灯もあり、これには宮廷風の色彩がより強く現れています。