白雲観は北京の西便門、復興門の外側の白雲路の東側に位置し、北京で最大の道教寺院で、「全真教第一叢林」と呼ばれています。
白雲観は道教真派の三大本山の1つです。道教は中国の固有の宗教で、老子を教祖に祭り、道のないものはなく、どこにでも存在すると考えられ、「道徳経」が主要な経典とされています。現存の建物は大部分が明清時代に建てられたものです。
建築特色
白雲観のすべての建物は東、中、西の三つの通路で分かれ、後ろには庭園があります。主な建物は中路に集中し、順番にアーチ型の門、山門、霊官殿、玉皇殿、老律堂(七真殿)、邱祖殿、四御殿、戒台と雲集山房などがあり、大小あわせて50余りの殿堂があります。敷地面積は約2万平方メートルです。南北宮観と園林の特徴を併せもち、殿堂は壮大で綺麗で、景色も優雅です。すべての殿内には道教の絵柄が装飾されています。
旧正月の縁日
毎年の旧正月には白雲観で縁日があり、「会神仙」、「順星」(星を祭ること)、「打金銭眼」(穴あき銭で小型の銅製ベルを打つこと)、「摸石猿」(石猿を撫でること)などが行われます。伝説では旧正月十九日に道士であった丘処機はこの世で経を読み、その功徳によって死者を苦界から救ったと言われています。そのためこの縁日の期間中、線香、蝋燭、紙箔、神像を売る店が最も多く、次に食べ物やおもちゃを売る店で、日用品を売っている店は少ししかありません。また各地方の獅子舞や高足踊り、旱船などの伝統的な出し物も行われ、銅鑼と太鼓の音が絶えず鳴り響き、とても賑やかです。
昔、市内に住む人々は白雲観へ行って参拝し、終わると宣武門外の護城河に沿って西へ進み、鉄橋を渡って便門を通りました。途中では身分の高い人の大きな鞍車や輿も見かけます。ロバや家畜の幌なし馬車を借りて乗っている庶民たちもいます。馬車に乗りながら寺院を巡ることは北京の人にとって最大の楽しみの一つでした。