武漢長江大橋は湖北省武漢市にある武昌蛇山と漢陽亀山にまたがってかかっている長江で初めての鉄道・道路両用の橋です。
橋の全長は1670m、橋梁部分の長さは1156mで、橋桁まで北岸303m、南岸211mあります。橋は二層に分かれています。上は道路で、下は2本の列車がすれ違う複線の鉄道です。橋脚は八つ、橋脚台は九つでそのスパンは128mあります。数万トンの巨船もなんなりと通行できます。橋の両端に35mの民族スタイルの装飾建築がほどこされています。橋の下部には上の道路へ直行できるエレベーターが設置されます。橋に立ち、東へ悠々と流れている長江を眺めると、武漢三鎮を一望できます。長江に遮断されていた京漢・粤漢鉄道が武漢長江大橋でつながることにより、ようやく京広線は全線開通です。
長江大橋の建設
武漢長江大橋は1955年9月1日に着工し、1957年10月15日に開通しました。大橋の建設は当時、ソ連政府の支援の下、ソ連の建築専門家たちによってデザインや建設の指導を受けました。しかし中国とソ連の外交関係が決裂し、ソ連政府がすべての専門家たちを引き揚げさせたため、最後は茅以昇氏によって完成されました。
毛沢東は1956年6月、初めて長江で思う存分泳いだ後(当時、武漢長江大橋が建設中)、『水調歌頭・遊泳』という詩を作りました。その中の「1本の橋を南北に架ければ、天険も大道に変わる」という詩句は武漢長江大橋が中国南北の交通をつなぐ重要な役割であると述べています。大橋完成後、武漢市の代表的な建築になっています。
長江大橋のデザイン
武漢長江大橋のデザインは中国民族建築の特徴に富んでいます。胸と同じぐらい高さの欄干には様々な種類の鳥類と獣類が刻まれています。大橋の両側にある木製の板には中国の民間伝説、神話物語などが描かれています。「クジャクが尾羽を扇状に広げる姿」や「鯉がハスの花と戯れる様子」、「カササギが梅の花に鳴く姿」、「白いウサギと金色のモクセイの木」など民族情緒に溢れています。
大橋の両端には高さおよそ35mの建築物があります。下のホールから上の屋根まで、七階建になっています。建物内にはエレベーターや手すりのある階段が設置されています。ホールには大橋を架けたヒーローたちの大型泥人形群像が展示されています。ヒーローたちの偉大さが感じられ、過去の歳月を思い起こさせてくれることでしょう。
武漢長江大橋と同時に完成した、武漢長江大橋記念碑や観覧台は武漢長江大橋のすぐ隣に位置しています。碑の高さは6mで、重さは20トンぐらいです。碑の南側の面には「1本の橋を南北に架ければ、天険も大道に変わる」という毛沢東の詩句が刻まれています。観覧台は長江や大橋を眺めるためのベストスポットです。
長江大橋の夜景
武漢長江大橋の夜景も武漢の代表的なスポットです。特に祝日(五月一日・十月一日のゴールデンウィーク)になると、橋上の夜間照明が点灯します。整然とした街の明かりと走っている車のライトが照らしあい大橋は活気に満ち溢れています。