江漢路は漢口の中心地に位置し、南は沿江大道、北は解放大道に至り、全長1600余メートルあります。江漢路は百年以上の歴史を持っている武漢市の有名な商店街です。
江漢路は歴史的には中国系と外国系を分ける境目です。江漢路の西にある花楼街、黄陂街及び隣の大興路には民族工商業の業者が開設した店舗が並んでいます。一方、東側には外国、官僚および民族資本家が開設した銀行、会社や店舗があります。それに加えて、顧客が往来する江漢関埠頭があるので、賑わった江漢路のビジネス環境を作り出しています。
現在の江漢路は、既にショッピングやレジャーなどの機能を揃えた新型ビジネス歩行者天国となり、武漢市で最も賑やかな地域です。中国で最長の歩行者天国と誇るこの路は、三つの部分に分けられています。
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江漢関から鄱陽街口までの400メートルは、金融業と保険業を主とする商業区です。
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从ポ陽街から中山大道までの300メートルは、中国の名高い老舗や現代中国国内のブランド商品を主体とする商業区です。
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中山大道から江漢四路までの510メートルは百貨店、俊華名品広場など、大型ショッピングセンターを中心とする総合的な商業区です。
いわば、江漢路は既に武漢市の重要なシンボルとなっています。
これらの老舗のなかには、解放前期、一時栄えていた人民飯店、璇宮飯店、孫中山の手書きした「精益求精」(絶えず向上を求める)という言葉から名づけた精益眼鏡屋、当時日本製品に対抗するために開かれた国産品百貨店、洋式時計の専門店である「亨达利時計屋」、また、冠生園、華康副食、滋美食品場、武漢中薬店(武漢漢方薬局)、四季美湯包館などの店があります。
また、ここは武漢のグルメが集中している所でもあります。各種の中華料理や西洋料理、韓国の焼肉、日本料理、鍋料理、ファーストフード、各地の風味ある美食が、想像以上に豊富な品揃えをしています。
江漢路沿いの建築
江漢路沿いの建築物も絶景です。ヨーロッパ風の建築、ロマネスク建築、ビザンチン様式、ルネッサンス風、古典主義、モダニズム建築など多種多様です。タワーブリッジ、アーチ型天井に丸窓、深巷にある古い家が揃っているため、観光客もここから帰ることを惜しいと感じます。ここは、武漢二十世紀建築の博物館と呼ばれています。
江漢関ビル
1924年建てられた江漢関ビルは、漢口沿江大道と江漢路の交差点にあリます。漢口開港以降、1962年清朝政府が漢口に税関を設置し、江漢関と名づけました。ビルはイギリス風の建築で、本館と鐘楼という二つの部分からなっています。本館は四階建てで、一番下にあるフロアは半分が地下室です。鐘楼は四階建てで、高さ46.3メートルあり、当時武漢における最も高い建築として、武漢市を象徴するランドマークの一つでもありました。
ビルの外観はヨーロッパのルネッサンス風の建築をも倣したのです。そして、イギリスの鐘楼様式と結合しています。外壁も柱も全部花崗岩で造られ、洗練されたビルです。ビルの屋上にある鐘楼の四面には直径4メートルの時計があり、一時間ごとに音楽が流れ、武漢三鎮にまで余韻が響きます。
百年以上の歴史を持つ銀行や商社
百年前を振り返ってみると、江漢路には34軒もの銀行、外国商社が並んでいました。その多くは外国人が設計したもので、外国の建築様式を見せています。
現在、武漢麦加利銀行は国内における最も歴史が長い外国銀行旧跡の一つです。1865年に完工した当銀行は武漢初の英系銀行で、漢口洞庭湖街41号にあり、今は中国銀行武漢支社となりました。
かつて武漢の最も高い銀行ビルは1935年に建てられた中国実業銀行ビルです。赤い建築は江漢路において極めて際立っています。現在、当銀行は既に中信銀行に改造されました。ホール内部では、豪華な大聖堂の天井にクラシック風のクリスタル製電灯が釣り下がっています。
昔最も美しかった銀行は東方理匯銀行です。当銀行は1904年に建てられた二階建てでレンガと木造が結合された構造で、沿岸大道171号にあります。現在は中国農業銀行漢口支店となりました。外から見れば、明るいレンガ色が目に入り、壁の外には大きなガラス製のアーチ型の窓が置かれています。
交通アクセス:バス1番、7番、24番、301番、581番、608番、622番、801番などが利用できます。