古琴台、伯牙台とも称され、武漢市漢陽区における亀山の西の麓、月湖の湖畔にあります。
古琴台についての物語
古琴台にまつわる「高山流水」という物語があります。春秋時代、楚国の箏奏者俞伯牙はこのあたりで曲を演奏しながら自分の思いを綴っていました。これを聞いたきこりの鐘子期は曲に託した思い「高山に水流れる」をさとりました。こうして伯牙と子期は知音(気心の知れた友人)になりました。数年後、再び亀山を通りかかった伯牙は子期が病気で亡くなったことを知り悲しくてなりませんでした。そして自分の琴の音を知る人はもはやいないと言って琴の弦を切ってしまいました。後世の人は二人の厚い友情に感動し、記念に古琴台を築きました。
古琴台の景色
古琴台は東を亀山に向かい北を月湖と接していて、湖の景色と相まって美しい風景です。また静寂で心地がよく、文化的な雰囲気に溢れている古琴台は武漢市の著名な音楽文化の遺跡であるとともに湖北省、武漢市の重点文物保護の対象の一つにもなっています。
古琴台建築群は総面積15亩(約10000平方メートル)で規模はさほど大きくありませんが精巧で洗練された造りになっていて、古い建築様式を見ることができます。主要な建築物である庭園や林園、花壇、茶室などが互いを引き立てあっています。園内は回廊のような道になっています。徐々に歩いてゆくと様々な景色が目の前に現れます。ここを作った職人たちは地形を十分利用し、また中国庭園の「借景」という造園技法を生かし、亀山や月湖の風景を庭園内の風景に背景として取り込むことで古琴台と山水が一体となり、広々とした芸術の境地を作り出しました。