磁器彫刻

　磁彫（磁器彫刻）はタングステン製の刀で素地となる磁器に花鳥などの紋様を刻む工芸品です。刻む内容は人物、花鳥、山水などがあります。作品の構図は清新で、なめらかな線で人物の表情や所作が生き生きと描かれ、高貴さと稀少性でコレションとして大変人気があります。

　磁器は3000年余りの歴史を持っています。清朝の末期になると、捺染（プリント）の技術を磁器の上も使われ始め、磁彫の工芸品が現われてきました。磁彫工芸品は、硬い生地で高雅な品格があり、精巧で見事な彫刻芸術表現を持っているため、海外内に高い評判を浴びています。しかし、残存している貴重な磁彫刻芸術品が少なくて、その大部分は北京故宮博物館と 上海工芸美術博物館で保存されています。

　磁器とは言え、刻む方法が適当でないともろく壊れやすいため、非常に高い技術と忍耐力が要求されます。作り方は大体以下のようです。
　１：まずは特製の合金の刀を筆とします。構図によっては小さい金槌で刀を軽くゆっくりと打ちながら、磁器の表面に文様を刻みだします。
　２：次に、山水、花鳥、文字などを鮮やかに表現するため、色彩を施したり、蝋を塗ったりします。

　３：こういった工芸品は、書道や絵画などの伝統的な風格を持ちながら、磁器の滑らかな美しさの特徴を活かしており、芸術としての輝かしさを持っています。