羊八井(ヤンパチェン)
高原にある珍しい天然温泉
羊八井はラサ市街から北西におよそ90キロ、青蔵道路と中尼道路の交差点に位置する、ダムシュン県(当雄)の町です。この辺りは豊富な地熱資源に恵まれており、地熱発電所、地熱温室、温泉施設が点在する、いわばチベットの温泉街です。羊八井を訪れる人々の楽しみは、景色もそうですが、やはり温泉浴を体験することです。ここでの入浴は、乾燥したチベットでまみれた埃とともに、旅の疲れを洗い流してくれることでしょう。
羊八井の泉質は硫化水素泉で、多くの慢性病に効くと言われています。ここの温泉地は露天風呂で、源泉が47℃と入浴には高温なため、二つの温度調整池を経由して、適温に冷ましてから浴槽に供給されます。
風呂の種類
この温泉施設には室内風呂、露天風呂、八つの漢方薬を浸した保健風呂(薬湯)があり、利用料は98~160元です。小さなタオル、シャンプー、ボディーソープが付きます。露天風呂は温度差と気圧の影響から水蒸気がもうもうと立ちこめており、温泉気分をさらに盛り上げてくれます。なお日本の温泉とは違い、ここでは入浴時に水着の着用が必要ですのでご注意ください。
高地では酸素消費量が大きくなっていますので、入浴時に体力を消耗しすぎないよう、激しい運動と長時間の入浴を避けるようお勧めいたします。雪山の景色を見ながらの露天風呂での入浴は、旅の疲れを癒すのに最適です。
羊八井の一番美しい時は、まだ気温の低い朝方です。地熱畑から立ち昇る水蒸気が霧となって漂い、まるで仙境のようです。運が良ければ、熱水井(間欠泉)から豪快に噴出する湯柱と水蒸気を目にすることができるかもしれません。自然の力の雄大さに感嘆するのみです。
交通アクセス
羊八井はラサとナムツォ(納木錯)の間、ラサから87キロに位置し、ラサのバスターミナルから羊八井行きの便が出ています。羊八井の入口となる青蔵道路から温泉地まではさらに8キロほど距離があります。体力のある方は歩いてもいいですが、羊八井のバスターミナルや青蔵道路の傍らでヒッチハイクするという手もあります。
- TIPS:水着は当地でも販売しておりますが、非常に割高ですので持参されることをお勧めします。