観光に適した麗江の夜は赤い提灯がともり、それが水路に映し出された幻想的な光景は、まさに「千と千尋」の世界そのものです。街の店からは唄や踊りが聴こえ、心地よさと、ときに喧騒を生み出します。ナシ族の古典音楽を観賞したり、四方街を散策したり、あるいは麗江バー街や麗江夜市で一杯を飲んで、麗江の夜をご存分にお楽しみください。
ナシ族の古典音楽
ナシ族の古典音楽は、その文化の中で最も素晴らしいもののひとつで「中国音楽の生きた化石」とも言われています。明、清代に麗江に伝わった道教音楽と、ナシ族音楽をうまく調和させて、現在に伝えています。
麗江古城では数多くの民間楽団が活動し、代表的な楽団として、東大街の中ほどから東へ、橋をわたり、密士巷74号のナシ族伝統庭園にある「麗江中国大研納西(ナシ)古楽会」が挙げられます。最古かつ、最も本格的な楽団で香港やヨーロッパでも公演を行ったことがあります。
ナシ族音楽会には演奏の順序についての決まりがあり、北京語、ナシ語、英語による解説もついています。総じて7曲を演奏し、2時間にわたります。
麗江バー街
夜のバー街は麗江で最も特色のある所です。言うまでもなく、ここではバーが林立し、様々な言語、衣類の人たちが群がって賑わいます。麗江バー街は北は古城北口の大水車から、南は四方街の科貢坊まで、玉水川沿いに造られています。各店のすぐ前を流れる水路を跨って、並んだ木の板の桟橋が作られ、水は少し急ですが心地よい水流の音が聞こえてきます。
バー街を埋め尽くした赤い提灯と黒いウッドデッキのコントラストが美しい。店の玄関には、トウモロコシや唐辛子、使い込んだ蓑笠(みのかさ)などが飾られ、素朴で情調が溢れています。ここのバーは、茶館、カフェ、レストラン、ディスコでもあり、店名は中国語、英語、トンパ文字で書かれており分かりやすいです。さらに面白いのは、水路をはさんで大きな掛け声で歌い比べをしている民族衣装の従業員もいます。何回も何回も歌いあって、一人対数人もあれば、知らないもの同士のグループ戦もあり、店同士の大対抗戦に発展する場面もあります。そのため、邪魔な窓やドアまで外す店が続出したようです。麗江に宿泊するなら、必ずここをお訪ねください。
麗江夜市
麗江の夜市は古城を出てすぐの新大街三叉路辺りにあり、夜の7時から深夜まで営業しています。そこには屋台や食堂などがひしめき合っていて、串焼きやビールを楽しむ地元の若者達、地方や外国からの観光客達で賑わっています。焼きジャガイモと手羽先が名物です。
四方街
四方街はバー街に隣接し、麗江古城の中心部にあります。麗江旧市街はこの四方街から発展してきたと言われています。街中を小さな清流が流れており、その水路に沿って民家や商店が並び、その間をまた細い小路が四方八方に延びています。迷路のように続く道には彩り豊かな石畳が敷かれ、町中が色鮮やかな民族衣装をまとう物売りや観光客で賑わっています。ここは麗江一の繁華街だそうです。
毎週三晩、四方街で「打跳踊り」が行われます。「打跳踊り」は雲南各地でポピュラーに行われていて、大勢がキャンプファイヤーを囲んで民族的なダンスをします。大変に盛り上がります。
四方街から大石橋まで、沿道に十数軒の飲食店が立ち並び、そこの「砂鍋飯」(土鍋炊きご飯)と「過橋米線」(米で作った麺食)もまた名物です。