杭州市の西に位置する西湖は中国十大美景の一つです。西湖の最も著名な景観は南宋時代に作られた「西湖十景」です。「十景」とは断橋残雪、平湖秋月、柳浪聞鶯、三潭印月、曲院風荷、蘇堤春暁、南屏晩鐘、双峰挿雲、雷峰夕照、花港観魚のことです。南宋時代の西湖十景は西湖の周りに分布しており、湖上にあるものもあります。
蘇堤春暁
蘇堤は蘇東坡が杭州を治めた時の功績の一つで西湖を疏浚した泥で作った長い堤です。蘇東坡は北宋時代の杭州知事の任期中に、杭州の軍民を動員し西湖の泥を掘り出しました。後に蘇東坡を記念して蘇公堤と名付けられました。
曲院風荷
曲院風荷は「蓮」をテーマにした大型公園です。曲院は宋の時代にはお酒を作る工場でした。洪春橋近くの湖面には蓮が植えられ、清の康熙皇帝は岳湖の畔に石碑を保護するための東屋を建てました。ここには小さな建物と湖面に浮かぶ蓮の花だけが残っています。
平湖秋月
平湖秋月は白堤の西端の外西湖側にあります。湖に向かって佇めば平野が広がり、一年中、天候にかかわらず湖の景色を満喫できる最適の場所です。唐代には望湖亭が建てられ、南宋時代には「平湖秋月」と名付けられました。
断橋残雪
断橋は冬、雪景色を観賞する最高のところです。断橋は伝説の「白蛇伝」にも登場し、とてもロマンチックで有名です。唐の時代には木の橋で「段家橋」と呼ばれましたが、南宋時代、「断橋残雪」と名づけられました。
柳浪聞鶯
公園の見どころは柳です。春の庭園は新緑の柳の葉で覆われ、鶯がさえずり安息の地のようです。公園の「百鳥の天国」には酔柳、浣紗柳、獅柳などのしだれ柳が約500本植えられています。ここでは大型提灯祭も開催されます。
花港観魚
南宋の時代、ここは内侍官盧允昇の個人の庭園で、彼は池を作って鯉を育て、ここを「盧園」と名付けました。南宋の画家は「花港観魚」と呼んでいました。5つの部分で構成された公園で、花と鯉を鑑賞するには最高の場所です。
雷峰夕照
北宋の975年に建立、後に呉越王は王妃黄氏が男の子を産んだことで黄妃塔とも呼ばれました。しばしば「雷峰塔」と呼ばれています。
双峰挿雲
双峰とは西湖の西部に位置する南高峰と北高峰を指し、西湖から両峰を眺めるとあたかも峰が雲に突き刺さって見えることからこの名がつきました。この辺りからの眺めはいずれも山紫水明の境地ですが、特に湖心亭からの眺めは格別です。
南屏晩鐘
西湖の南、「雷峰塔」の向かいにある「浄慈禅寺」の鐘の音と西湖の夕日とが作り出すすばらしい情景をこう言います。
三潭印月
島の陸地は「田」の字のように分割されています。湖の中に島があり、島の中にさらに湖があります。西湖最大の風景区として評価も高く、島内外の湖には鏡のようにきれいに月が投影され、満月の夜に船から見る情景は最高です。