莫干山は浙江省北部の德清県にあり、上海、南京、杭州の三角地帯を結ぶ中心に位置する、中国を代表する美しく豊かな観光、避暑地です。この山の名は、春秋戦国時代末期に阖闾という呉の王の命令で、莫邪と干将の二人がこの山で比類のない一組の剣を作ったことから彼らの名から一字ずつ取ってつけられました。
莫干山は、山々が連なり起伏に富み、優美です。景勝地の面積は43平方メートルあります。有名な泰山の雄大さや華山の険しさには及びませんが、見渡す限り海と見紛う竹林、澄みきった泉、点在する著名人の別荘、四季それぞれに異なる魅力をもつ景色をもつことで、"江南(長江以南の地域)の第一山" と呼ばれています。日本でいうところの軽井沢のような景勝地です。
莫干山の特色
莫干山は竹、雲、泉からなる”三勝”と、清らか、静か、緑、涼しいからなる”四優”で海外でも広く知られた土地です。三勝のひとつであるこの地の竹は、品種が多く質も良く、植生面積も全国一です。莫干山を歩くと、竹林の緑に囲まれた小路が眼前にあらわれ、周囲には竹の香りが漂ってきます。この地の雲も季節や時間帯によって多様に変化するという特徴をもちます。ときには波のように重なり合って進み、ときにはふんわりとした綿のようになります。雲の中に身をおくと、仙人のような超然した気持ちを味わうことができます。泉も素晴らしい風景のひとつとして挙げられています。数百の滝が勢いよく流れ降り、その水が峰々の間で踊りリズミカルに泉に向かう様は気持ちを楽しくします。
四優のひとつである”清らか”もこの山の特色です。竹の中を散歩したり、木陰で休憩したり、夜に別荘で腰をかけていると、清々しくて心地良くなることでしょう。”静か”—莫干山の谷は、いつも静まっていて、俗世間から離れた桃源郷のようです。都会の喧噪から離れ、この静けさの中で体と心の新鮮さを取り戻しましょう。この地は“緑”一色です。先に触れたとおりこの地の竹の品質の良さもさることながら、竹林自体も127平方キロメートルあり、山の緑化被覆率は92%にも上っています。”涼しい”は避暑の一つの条件となります。莫干山は、ある程度海抜があり、緑化被覆率が高く、泉や小川が多く、そのうえ、竹に覆われているため、夏の気温はいつも低くなります。とくに7月と8月の平均気温は24.1度で、朝晩が涼しく、避暑には最高の場所となっています。
四季の景色
莫干山は夏に涼しいことで、多くの人に知られていますが、実は、春夏秋冬それぞれ味を持っていることも、もっと知られてよい特徴です。春には風が長閑で、霧もよく出ます。竹の子が土中から勢いよく伸び、色とりどりの花が咲き始めます。秋になれば、空が高く澄み渡り、カツラの木の香りが爽やかにこの地域に漂います。カエデの葉も色づき、秋の深まりを感じさせます。冬は、静寂が広がる雪一面の世界となります。花が散るように雪がはらはらと舞い、すべてのものが雪化粧をします。
観光スポット
莫干山は風光明媚で観光スポットも多いところです。奇麗な芦花荡公园、静かな武陵村、強く興奮させる剑池滝、歴史の長い白云山馆、雄大な怪石角、野生動物に富む塔山公園および、天池寺遺跡、莫干湖、旭光台、名家碑林、滴翠淵など100か所以上あります。
歴史
千年以上の歴史を持つ莫干山は豊かな文化的資産をもちます。数えられないほどの詩歌、石刻、業績、および200以上のさまざまな歴史的著名人の別荘が残されています。別荘は各観光地の山上にあり、森と竹の中に佇み、建築美と自然美が完璧に一体となっています。その景色は美しすぎて言葉で表すことができないほどです。200の別荘に同じ形のものは一つもなく、そのため莫干山は”世界近代建設博物館”とも呼ばれているほどです。