中国では現在、主な太極拳は五種類あります。最初は陳式のみが太極拳でしたが、陳王廷の多くの弟子たちが、改良し、派生させていったのです。今日では陳式、楊式、呉式、孫式、武式太極拳が流行っています。
陳王廷(1601~1680)の流れを汲む、もっとも歴史の古い太極拳。陳発科(1887~1957)は、陳王廷の陳式太極拳の伝承者である。陳家溝では、陳王廷の教えが脈々と継承されていった。(1849~1929)のように、晩年に「陳氏太極拳図説」を著した者もいる。陳発科は1928年に北京に出て、陳式太極拳を初めて大会の人々に教授した。 この門下生は、現在に太極拳を伝えている。 現在、中国における著名な使い手は馮志強(北京)、陳正雷(河南陳家溝)、田秋信(北京)など。
楊露禅の号で知られる、楊福魁(1799~1872)が開祖。露禅は太極拳普及の第一の功労者と言われている。 露禅は河北省永年県城南関の貧農に生まれた。しかし、若い頃に永年市で陳家溝の陳徳湖(陳式太極拳の使い手)が経営する薬材店で働く。そして陳徳湖の家で労働しながら河南省の陳家溝におもむき、陳長興に師事して太極拳を学んだ。
露禅が陳家溝にいたのは10年足らずだったが、熱心に練習し、大変優れた技術を身につけて永年に帰郷した。 露禅は永年市で太極拳を教え始めたが、当地にいた清朝貴族の武家の人々にも太極拳を教え、武家の信頼を得た。
その後、武家の当主が北京に移動することになり、露禅も同行。1852年に北京に出て、太極拳を教えることになった。 当時中国南部では太平天国の乱が起こっており、また列強の中国侵略も露骨になってきた時代背景だった。巷の人々の間に武術への関心が高まり、武術家同士の闘争もしばしば起きたらしい。しかし、露禅は試合にも大変強く、高い名声を得た。露禅は、次男の班侯(1837~1892)や、健侯(1839~1917)などに、その技を伝えた。現在、中国における著名な使い手は、李徳印など。
呉鑑泉(1870~1942)が創始者。鑑泉は、楊露禅および楊班侯の弟子であった清朝貴族・全佑(1834~1902)の養子にあたる。鑑泉は1928年以降、南京や上海で太極拳を教えていたため、呉式太極拳は中国の南部沿に広く伝わっている。現在、中国における著名な使い手は、李秉慈など。
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