太極拳の起源
太極拳の起源と創始者に関しては諸説あり、詳しいことは分かっていません。代表的な説には、①唐朝の許宣平が創始者、②宋朝の張三峰が創始者、③清朝の陳王廷と王宗岳が創始者―といったものがありますが、現在中国では、③の陳王廷が創始者という説が有力です。
太極拳の創始者
陳王廷は別名、又秦廷とも言います。王廷では1601年に、河南省温県陳家溝にある陳家の九代目として生まれました。明末清初の人であり、明の官僚でした。 王廷は官僚を退いたあと、出身地の陳家溝に帰って、郷里の子弟に武術を教えはじめました。王廷が優れていたのは、「導引法」という道家の伝える健身法、そして「経絡学説」を中心とする医学を、拳法と結びつけたことです。
太極拳の発展
明・清のころには、軍隊の基礎的な訓練を、地方の郷村で行なっていた時代背景があります。そのため、それぞれの郷村ごとに、特有の武術が発達しました。有名なところでは八極拳や形意拳、八卦掌なども郷村の軍隊訓練から生まれたものです。
陳家溝は太極拳がもっとも盛んな場所のひとつで、「四傑」と呼ばれる陳小旺、陳正雷、王西安、朱天才をはじめとした、多くの達人を輩出しています。王廷は「太極一人」と呼ばれて称えられ、彼の生み出した太極拳は、多くの人々に愛され続けています。
太極拳の成立は、他にも多くの武術家・研究者の存在を抜きにして語ることはできません。特に、戚継光は陳王廷に大きな影響を与えました。継光は明朝時代の著名な研究者で、彼は「十三勢長拳」や古代の導引や気功と、中医経絡学説に基づいて、太極拳の元になる理論を創りました。陳王廷は戚継光よりも半世紀年下ですが、戚継光の研究は太極拳の思想に思想に色濃く残っています。このほかにも、古代の陰陽五行学説、道教、太極八卦などが、太極拳の基礎理論は取り入れられています。
太極拳は中国伝統文化と伝統哲学思想の結晶なのです。例えば、太極拳は最初から最後までずっと運動し続けています。動作を続けることは太極拳の大前提ですが、これは、動作を停止させることで力の流れや精神の統一を中断させないためのものです。春の蚕がとめどなく糸を吐き続けるように、雄大な長江の流れが決して止まらないように、太極拳もまた止まることはないのです。このように太極拳は、森羅万象を拳法の中に再現しています。それは、「対立」と「統一」を含んだ矛盾運動であるとも言えます。
太極拳は運動中には心を静かにして統一させ、動作と呼吸を合わせるようにゆっくり呼吸します。体には無理な力を入れずに自然にし、動作が止まらないように動きます。腰が軸になるようにして、上体と脚が連動するように動作します。
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