三清閣と龍門は西山北端の観光区の終点で、風景は一番よいところである。
三清閣は元は元の梁王の避暑地であったものが、後に道教寺院となった。そして徐々に増築されて、現在11の建築物が伝統的な道観建築で建っている。太華寺からは約2キロの距離で、羅漢山の絶壁の上にあり、道教の空中楼閣の様相を呈している。道教では玉清、上清、天清が、神仙が住む最高の仙境とされ、これを“三清”という。だから、道教の宮観が三清と名付けることが多く、昆明西山の“三清閣”もそれによって名付けた。
三清閣は九層十一の閣の建築群で、元代に梁王の避暑の別荘だった所に明代に至って海涯寺という仏寺が建ち、その後、道観になった。典型的な道観の風格をとどめた三清閣の建築群は主といで、霊官殿、純陽楼、玄帝殿、玉皇閣、抱一宮、雷神殿、三仏殿、寿福殿、関帝殿、張仙祠、真武殿など楼閣、殿宇を配しており、皆道教の神像を供えている。“三清勝境”前の石段が72段あり、72体の地殺星を象徴しているという。
また寺院内の「孝牛泉」には面白い伝説がある。昔、山のふもとに牛の解体を生業にしている男が住んでいた。ある日家に飼っていた母牛をつぶそうとしたとき、隙を突いて子牛に解体に使う刀を山の上までくわえて持って行かれた。子牛はこの「孝牛泉」まで来ると、刀を自分の体の下に隠して寝そべってしまった。男はこの様子を見て、ため息をついて家に帰り、母牛と子牛を一緒に逃がしてやったという。このことから、「孝牛泉」と呼ばれるようになった。