華亭寺は、もとは円覚寺と呼ばれていました。雲南省で最大規模を誇り、900年以上の歴史があります。明と清の時代、戦争により何度も再建を繰り返しました。現存する建物は、1923年、虚雲大和尚が再建したものです。中国の重要な漢族仏教の寺院の一つと称されています。
寺院内には200あまりの建築物があり、鐘楼、天王宝殿、大雄宝殿及び数箇所の花園があります。特に仏像と五百羅漢は一見の価値があります。五百羅漢に登場する人物の顔は一つ一つ違います。嬉しそうな顔、何か憂いを漂わせている顔、さらには悲しそうな顔付きをしたものなど、様々です。色彩は往時からのものなのか随分と色褪せていましたが、一人づつの羅漢に、それぞれの名前を記した白い札が掲げられていました。地元の人は、各羅漢に自分自身を照らし合わせて、今後の運勢などを占ったと言われています。
「天王宝殿」には、中央に弥勒仏が安置され、その左右に2対づつ大きな仏像が並んで立っています。いわゆる「四天王」(持国天、増長天、広目天、多聞天)です。四天王は、天候の順調を掌握しています。この彫像は、かなり高い芸術の価値を持っています。一番奥の「大雄宝殿」の中には、大きな三世仏の金身塑像があり、その周囲には五百羅漢がところ狭しと並んでいます。「大雄宝殿」近くに、扉のすべてに精巧な木彫りが施された建物があります。孫悟空の出生、三蔵法師との出会い、さらに仏典を求めて旅を始めた「西遊記」の物語が、見事なまでに彫り込まれています。
華亭寺の歴代の対聯、扁額も意味深長です。山門は雄大な三層の中式楼閣で、反り返った軒先で、力強くそびえている古木と肩を並べています。また、園内には椿、いぬまき等珍しい植物が植えてあります。