松花江は満州語で「スンガリ・ウラー」と呼ばれ、「天の川」の意味です。南北二つの源があります。南源第二松花江は長白山の主峰白頭山の天池に源を発します。北源嫩江は大興安嶺の支脈伊勒呼里山の中段の南側に源を発します。嫩江と第二松花江が吉林省扶余県の三岔河あたりで合流した後松花江と呼ばれ、吉林省吉林市、松原市、黒龍江省ハルビン市、ジヤムスなどの中心部を流れます。
松花江の流域は山々が重なっていて、原始林が分布して、大興安嶺、小興安嶺、長白山など山脈の木材の蓄積量が総計十億立方メートルで、中国で面積が一番大きな森林区です。
松花江の霧氷
冬の松花江の気候は厳寒で、時々気温が氷点下30度まで下がり、氷結期が五カ月に達します。豊満水力発電所あたり暖かい流れがあるので、江に漂う水蒸気が河畔の柳、松の樹に透明で玉のような氷花を凝結します。川の堤が透き通る銀色の世界となります。それは中国に名を知られる「樹氷」奇観です。
氷提灯
氷提灯は松花江流域の特有の民間芸術です。川が氷結する季節になると、どの家も軒下で工夫を凝らして自作の氷提灯を掲げます。
氷提灯というのは、氷でつくったグラスのようなものの中に蝋燭を灯すというものです。東北文献によると、清代にはもう氷灯という工芸があり、長い歴史があるということです。初期の氷灯は貧しい人たちの節句の日の簡単な飾りとされましたが、時が経つにつれて、さまざまな造型のおもしろい氷の芸術品へと発展してきました。