桂林と言えば、漓江、陽朔、龍脊棚田はもう誰でも知っている有名な観光スポットです。しかし、桂林の東北部に景色も歴史文化もユニークな千家峒という観光スポットがあるのはおそらく知られていません。ここは、元のまま残された景色と、ヤオ族の発祥地としての深い歴史を持つ、自然、山水、田園などの要素が融合された別天地なのです。
騰竜洞:大きくなり続ける地下河川
千家峒は、ヤオ族の祖先が暮らしたところで、かつて千戸の家族がここで生活していたそうです。700年前、官吏による大量虐殺に遭い、ヤオ族は、その後各地を漂流し始めました。今は多くのヤオ族が千家峒を聖地と見做しています。「ヤオ族の水郷」で、千家峒文化とヤオ族の各分枝の発展過程と変遷を体験できます。
観光スポットの中で一番神秘的なところは騰竜洞です。これは珍しく大きな鐘乳洞で、その中に流れている地下河は現在でも大きくなり続けています。鐘乳洞の長さは25キロメートルを超え、「アジアナンバーワンの水洞」を誇っています。地下河の両岸には石筍、石柱、フローストーン、石真珠などがたくさんあり、竜、人、仏、タワー、各種な動物、神様などに似ている様々な姿をしており、つい絶賛する声も出てしまいそうです。
月嶺村―700年の歴史を持つ古鎮
月嶺村という村は、700年以上の歴史をもち、古村の建築風格と黄姚(発音はヨウ)古鎮と酷似しているとのことです。湾曲した石道や、古色が漂い庭、それにシックな牌坊は、すべて桂林北部のかつての生活状態を表す典型的な建物です。
月嶺村の建築は整然と立ち並び、全村は六つの中庭で分けられており、各庭はそれぞれに「翠徳堂」、「宏远堂」、「継美堂」、「多福堂」、「文明堂」、「錫暇堂」と名を付けられています。各庭には井戸、石臼、穀倉、養殖池と花園などの生活設備が設けられ、石の彫刻であれ木の彫刻であれ、壁の絵画であれみなとても美しいです。月嶺村は昔から人材を輩出をしてきたところで、今でも古式な芸術文化がたくさん保存されています。「翠徳堂」ではときには桂林地方劇が掛かる時があり、桂林の地方劇は、湖南の地方劇、京劇、昆曲(“昆腔”によって歌う歌劇)の節回しと表現技術を取り入れ、歌い、動作、唱え、踊りを同様に重視して、繊細で生き生きとした表現を生み出しています。
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交通:桂林空港からバスで灌陽県まで移動(およそ3時間)
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グルメ:灌陽県の特色料理は、サツマイモ粉からつくった麺料理と油茶(ヨウチャ、日本でかつてみられた糒(ほしい)で淹れた茶)です。千家峒観光スポットにある太公池で採れた魚は、温泉水のおかげで肉が柔らかく他にない美味さを持ってます。
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宿泊:千家峒観光スポットに別荘とホテルがあります。