麻婆豆腐や担担麺などで日本の方にも馴染み深い四川料理ですが、中国においても「中国八大料理」の一つとして、長い中国料理史の中に重要な地位を占めています。四川料理は唐辛子を多用した辛い中華料理として知られていますが、青椒肉絲(チンジャオロースー)や回鍋肉(ホイコーロー)のような辛くない四川料理もあります。
四川料理は川菜とも呼ばれ、アジアにまだ唐辛子が伝来する以前、三国志で知られる巴蜀時代の宴会料理に始まります。豊穣な食材に恵まれ「天府の国」と呼ばれたこの地で完成された四川料理は辛味だけでなく、「麻、辣、鮮、香」を巧みに操る奥深い味わいがその特徴です。魚香、紅油、怪味、麻辣の味は他の中国料理には見られない特徴で、辛味だけでも香辣、麻辣、咸辣、微辣に細分されます。代表的な料理には宮保鶏丁、回鍋肉、水煮牛肉 麻婆豆腐、魚香肉絲、豆瓣魚、酸菜魚などがあります。日本の四川料理店では日本人の好みに合わせ、辛さを抑え目にして出すお店がほとんどです。古代蜀の都でもあるここ成都で、本場の四川料理をお楽しみください。
最も四川料理を象徴する料理は火鍋でしょう。火鍋はどんな食材とも相性がよく、中国全土で広く親しまれています。四川の火鍋は種類が多く、ベースとなるスープだけでも数十種類に及ぶほか、食材の種類に至っては数えきれないほどで、食べられる物なら、全部火鍋の食材として調理されると言っても過言ではありません。重慶から成都へと伝わった激辛の火鍋は、やがて新鮮でバラエティ豊かな食材と、香り高くマイルドな辛さのスープにアレンジされてきました。
四川人が火鍋を好む理由は二つあります。一つは調理法。四川人にとって花椒と唐辛子は古くから欠かせない調味料で、麻辣味(麻:花椒の痺れる辛さ、辣:唐辛子の刺激的な辛さ)の火鍋はまさに四川伝統の食習慣に合った味です。また料理の見た目、香り、味わいを重んじる四川では、鮮やかな赤と豊かな芳香、深みのある辛さを持つ唐辛子が好まれたのです。もう一つの理由は地理的な気候にあります。成都は四川盆地の中にある典型的な盆地気候で、夏は暑く冬は寒く、年中曇天で霧も深く湿度が高いです。唐辛子に含まれるカプサイシンの効果によって発汗が促され、暑気湿気を払うことができる火鍋は四川人に愛され、四川のいたるところで火鍋店を見ることができます。
成都屈指の四川料理の名店で、ロビーは広々として明るく、内装は絢爛豪華です。多くの個室を備え、重厚な雰囲気でゆったりと食事を堪能できます。もちろん料理は評判がよく、盛り付けが美しく、上品な辛味で多くの人の口に合います。値段は少し高めの設定にもかかわらず、連日行列のできる人気店です。
成都では誰もが知る高級四川料理の名店。ドアの前では銀杏の巨木が迎えてくれます。店内は重厚で高級感溢れる伝統的中国の世界が広がり、上品な接客とプライバシーが守られた落ち着いた空間です。この店は「新川菜」と評される独自のアレンジを凝らした料理でその名が知られており、量は多くないものの、フランス料理を連想させるほどの繊細な料理が楽しめます。「樟茶鴨」は皮がサクサクして肉は柔らかく、芳醇な香りに溢れるあっさりした味わい。「鍋巴肉片」はジューシーで繊細な食感。その他の料理も個性に満ちています。価格は若干高めではありますが、高級店の名に相応しい、スタッフのにこやかでスマートな接客がこの店をより魅力的な存在にしてくれています。
有名な四川料理の老舗です。四川の家庭料理で一般的に使われる食材を、独自の調理法と調味料を使ってこの店ならではの味を作り出しています。この店の特徴は料理を楽しみながら、四川省の伝統芸能である川劇 (せんげき:中国四川省の伝統芸能)を観劇することができる点で、川劇特有の変臉(変面:役者が顔に手を当てた瞬間に瞼譜(仮面)が変わる秘伝の技巧。その技法は第1級国家秘密とされています)も披露されます。店内の装飾も伝統的で上品な雰囲気に満ちています。
紅杏酒家は地元で愛されている中級レストランの代表格です。ここは新ジャンルの四川料理で名を知られ、食にこだわる多くの成都人に支持されています。メニューは豊富ですが、昔ながらの定番料理である老三様:紅杏鶏、田鰻春雨、豆湯飯が人気です。紅杏鶏と田鰻春雨は同店の看板料理でもあり、いかにも四川料理らしいスパイシーな辛さが、柔らかな肉の味を引き立てます。成都名物ともいえる豆入り雑炊「豆湯飯」は見た目こそ地味ですが、鶏ガラスープで柔らかく煮込まれた米と豆は相性抜群。優しく繊細な味に、四川料理は辛さだけではないと再発見することでしょう。店は羊市街西沿線にある最も有名な飲食街にあり、タクシーのドライバーなら誰でも知っています。
日本で最も有名な四川料理といえば、おそらく麻婆豆腐ではないでしょうか。陳麻婆豆腐はその発祥の店です。主の陳おばさんの考案した豆腐料理は「麻、辣、香、蘇、嫩、熱、形整」という四川料理の特徴を兼ね備え、その美味しさが評判となりました。あばた(麻)の陳おばさん(婆)が作った豆腐料理がそのまま「麻婆豆腐」という料理名と「陳麻婆豆腐」という屋号になったのです。今も不動の看板料理である麻婆豆腐は量によって値段が違い、味は言うまでもなく本家本元、麻辣の配合もほどよく、ご飯のおかずに最適です。他にも四川の家庭料理メニューがあり、値段は高くなく、平日も賑わっています。
四川風火鍋の代表的な店で、店頭にまで濃厚なベーススープの食欲をそそる香りが漂っています。紅湯(唐辛子や花椒などの調味料をふんだんに使った辛いスープ)の入った鍋は碁盤のように仕切られており、それぞれに異なる食材を入れ、鍋料理のように煮込みます。火の通った食材に四川風火鍋伝統の麻辣味のソースをつけて食べると独特の辛さと香りが引き立ちます。
年季の入った趣のある内装と気どらない雰囲気、そして気配りの行き届いたサービスは現地でも人気を集めており、居心地のよい時間を求める人たちが行列を作ります。
ここは火鍋の超人気店で、店の前はいつも行列が絶えません。紅湯火鍋は伝統製法にこだわって昔ながらの牛油を使用し、独特の風味が特徴。料理はボリュームがあり、食材も新鮮です。毛肚(センマイ:牛の第三胃袋)はコリコリとした食感で、肥牛(牛しゃぶ肉)は極薄にカットされているのでスープに入れてすぐ食べられます。箸をつけていない食材は返品することもできます。店内は少々にぎやかすぎるかもしれませんが、火鍋を囲むのにはそんな雰囲気に包まれるのもよいでしょう。
成都にやって来て、ここの火鍋を食べずに帰るのは損だと言われるほどの名店です。風格漂う店内で、迫力のある銅鍋と長い箸が置かれれば期待が高まります。この店は味といい、盛り付けといい、サービスといい、どれをとっても最上級。麻辣鍋は独自にアレンジされたスタイルで、豚骨と魚介類をベースとした白湯(パイタン)スープを鍋の中央に配し、激辛麻辣味の紅湯がその周りを囲みます。黄喉、毛肚、鵞腸などの四川火鍋の定番食材を、胡麻油を使用したオリジナルソースにつけて食べると絶品。辛さが苦手な方も二種類のスープで好みの味に調節でき、味も変化に富み食べ飽きません。同店は接客も評判がよく、絶えずテーブルに目を配っていてくれます。
ここは個性的な火鍋の店で、老火鍋とも呼ばれる昔ながらのスタイルで火鍋をいただけます。ベーススープは清油と牛油の二種類に分けられ、どちらもとても美味しいです。鍋底に辣油をひいた状態で運ばれてくるベーススープは澄んで見えますが、熱が加わることにより辣油が溶け出し、やがて辛そうな赤黒いスープへと変貌します。老火鍋定番の食材である極上の鵞腸(ガチョウの小腸)はその場で切り分けられ、コリコリとした食感を楽しめます。板前さんが目の前で職人技を披露してくれる刀削麺(包丁で削った麺)の妙技も必見です。この店のソースに使われる調味料は特徴的で、火鍋の辛さを減らし、香りを引き立てます。ヘアゴムやメガネ拭き、携帯を入れる袋など、ちょっとした心遣いのあるサービスも好評を博しています。
胖妈火鍋は「一度食べたらやみつきになる」と言われます。ここの紅湯火鍋は濃厚なのに脂っこくなく、胡椒がふんだんに入ったスパイシーな味付け。胡椒が苦手な方は、スープから掬って取り除くことで調節できます。鶏を丹念に煮詰めて作られる白湯火鍋のスープもあっさりして美味しいです。この店はいつも盛況で、大声で話さなければ会話できないほど賑やかです。食材も新鮮で、毛肚(センマイ)は火鍋に長く潜らせても硬くならず、鴨血(アヒルの血をプリン状に凝固させた火鍋の定番食材)もすごく新鮮でとても柔らかく、火鍋に潜らせても溶け出しません。蘇肉もお勧めの一品です。安くて食べごたえがあり、一人前50元です。
成都の名物料理はいろいろありますが、特に串串はその代表格といえ、とりわけ玉林エリアは串串店のメッカです。店内にずらりと並べられた食材は、それぞれに長い串が打たれていて、好みの食材を選んで鍋で煮込んで食べます。値段は驚くほど安く、店内は連日成都人で大盛況。牛肉は柔らかく麻辣味が良く合い、ジャガイモはモチモチ、サツマイモ春雨はあっさりしているのに濃厚で、食べる手が止まらなくなります。串串はビールととても相性が良く、食材の風味を引き立ててくれます。お酒を飲まない方には脂っこさを抑えてくれる豆乳がお勧めです。店内では成都人たちが気の合う仲間同士で集まり串串を楽しみながら、おしゃべりや拳遊びをする声が絶えません。大衆店ならではのくだけた雰囲気は、これぞ本場の成都料理店と言えるでしょう。
豆花(おぼろ豆腐に各種調味料や具材を加えたもの)は四川人がよく食べる家庭料理です。注文して出てくる豆花の上にはスパイスのきいた辛いソースとトッピングがのせられていますが、足りない場合は追加することもできます。ここは四川大学の傍に位置するので、学生客が多く訪れます。ここは二つのサービスしかありません。一つは豆乳の追加、もう一つは火を消してくれることで、サービス料はどちらも安いです。人気店なので行列のできるピーク時よりも早めの時間の来店がおすすめです。
四川人はワンタンのことを抄手と呼びますが、それはこの店に由来しています。同店は1940年代にオープンし、屋号に四川方言で「濃」と同じ発音の「龍」という字を採用し、「龍鳳呈祥」の意味を取り、「龍抄手」と名付けられました。龍抄手は「薄い皮、柔らかな餡、美味しいタレ」という特徴を持っています。抄手の皮は上質な小麦粉を用い、丹念にこねてから、紙のように薄く、絹のようになめらかに伸ばして作られ、つるつるもちもちの食感。タレは鶏、鴨、豚肉をベースに煮詰めて作られた白く濃厚な味わい。龍抄手は市内数か所に展開する有名店ですが、春熙路が総本店です。同店は抄手のほか、成都の小吃を扱っており、お好きな物を自由にお選びいただけます。また十数種類の小吃の盛り合わせもありますので、迷ったらそちらを試すのもよいでしょう。
洛帯古鎮では、傷心涼粉(緑豆粉から作られたところてん状の食品)を売る店は数えきれないほどありますが、最も有名なのはこの店です。通りを挟んで向いあう二店を有し、店頭で涼粉を販売しており、後ろの庭には茶館、東屋、小橋、川があります。涙を流すほどの辛さから「傷心涼粉」と名付けられました。しかしただ辛いだけの料理ではなく、絶妙に調合された調味料が、あっさりして柔らかな涼粉に絡んで美味しいです。調味料として添えられる小米椒(キダチトウガラシ)は激辛で、辛さに慣れた四川人ですら食べると涙が止まらないほどです。辛い料理が好きな方にとっては最高の食べ物です。しかし傷心涼粉を食べる時、甘い涼菓子や八宝粥(はっぽうがゆ)も注文して一緒に食べるのが一般的です。そのほか、傷心涼粉を注文する時、必ず開心氷粉を注文しましょう。そうでないと、本当に悲しくなりますよ。
玉林街の表通りから少し奥へと進んだ場所にある店で、店の前にはいつも長い行列ができています。日本では馴染みの薄い兎料理ですが、四川ではよく食べられる人気食材です。焼兎は兎肉のホイル焼きです。麻辣味も五香味も本場の味付けで、外はカリっと香ばしく、中はジューシーでとても美味しいです。兔頭もここの人気料理で、辛味と香りを兼ね備えており、酒の肴にもよく合います。時間を忘れるほどに料理と酒が進み、店内はいつも大盛況です。
四川の水餃子の特徴は、辛いスープに浸けて食べる「紅油水餃」。創業120年を超える老舗の鐘水餃は、成都では知らない人はいないほどの有名店。いまや四川料理として定着している紅油水餃はこのお店が考案したメニューなのです。鐘水餃は北方の水餃子よりも小ぶりで、皮は薄く弾力があり、肉餡も新鮮です。紅湯は甘辛く奥行きのある味つけで食べ飽きません。そのほかケーキや担々麺も人気料理です。地元成都人にも、観光客にも好評を博しています。
屋号の由来は「黄金巷」の「夫妻肺片店」を意味する「黄金肺片」と名付けられました。四川大学の南門に近く、見つけやすいです。真っ赤な紅油は一見激辛のように見えますが、その辛味はほどよく、辛い料理が苦手な人でもたくさん食べられるそうで、香りが豊かで濃厚な味わいです。和え物の種類が多く、食材も新鮮で、味は言うまでもなく、手頃な価格です。この店は人気があり、たびたび行列ができています。清潔感のある店員は帽子に手袋、エプロンのスタイル。特にレジの支払い時には、窓口の下にある小さな鉢にお金入れ、店員はクリップでお釣りを出してくれます、それは成都でもとても珍しい方法です。
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