イ県は黄山市で最も古い県であり、紀元前222年に秦の始皇帝が中国を統一した時に設置され、すでに長い歴史を持っています。現存する民家の数は数百軒にも及び、現在までよく保存されています。民家の建築様式はその独特の風格と精巧な窓枠彫刻で有名な徽州建築です。「古色古香」といわれる中国民家古代建築の宝庫です。
小さな田舎町のように見える宏村は清代に形成された村落で、山と水に囲まれています。その形から「牛型村落」と呼ばれ、山、木、橋、部屋をそれぞれ牛の体の一部にみたてています。牛の腸にみたてられているクリークは山の泉を引いて各家の前まで運ばれ、生活用水として利用されています。クリークの水は最後には風光明媚な南湖に流れ込みます。その他の見所の村落としては、映画撮影も行われた南屏村などがあります。
西逓村と宏村は、2000年に国連ユネスコ世界遺産委員会によって『世界の文化遺産』に登録されました。