中華民族の発祥地と言われるように、数十万年前にはすでに人類が居住していた。8000年前から5、6000年前に裴李崗文化、仰韶文化、竜山文化が次々と出現している。伝説では伏義、黄帝などもここを拠点としている。夏王朝は嵩山、洛陽を中心とし、大禹の治水もこの場所。
殷商時代にもここには相当発達した文明が栄えていた。安陽近郊の村、小屯で、殷代の遺跡(殷墟)が見つかり、多くの甲骨文が発掘された。春秋時代は宋国、衛国、鄭国に所属、秦時代に南陽郡を設置。漢時代には豫州に所属、唐時代に河南道を設置、元時代になって河南行省を設置してから現在まで至る。
豫劇
河南省はチャイニーズオペラが流行っている所です。伝統的な豫劇(河南省の略称が「豫」なので河南省の地方劇)、曲劇(豫劇より庶民的なもの)と越調(四股弦とも、長い歴史を持つ河南省の劇)以外、十数種類の地方劇があり、数百年前から人々の文化活動の重要な一部となっていました。特に、省都である鄭州市では公園や市民センターは河南劇一色です。2007年まで、河南省にある「戯曲茶楼」100軒余りのうち、鄭州市は20軒余りを占めています。「戯曲茶楼」とは、お茶を飲みながらチャイニーズオペラを楽しむ所で、伝統文化を盛り上げるうえ、都会のオアシスとして人々を癒しています。
年間行事
鄭州市コウシンバラ(庚申薔薇)展覧会は、文字通りコウシンバラが主役の展覧会です。1983年3月21日、鄭州市人民政府はコウシンバラを市の花に定め、1984年5月1日に碧砂崗公園で第一回鄭州コウシンバラ展覧会を開催しました。1995-2004年の10年間にわたり中断されましたが2007年に再開し、開催期間中公園、道、路地、町全体が美しい花に覆われ花の香りに包まれます。
鄭州国際少林武術大会は、各種武術の演武と試合、観光、文化交流などを兼ねた大型イベントです。1991年に始まり、2004年に国際伝統武術大会に昇格し、2009年からは中国国家体育総局と河南省政府が主催者となりました。大会には世界各国の武術愛好家が鄭州市に集まり、武技を高め合います。
黄帝故里拝祖大典は、毎年旧暦3月3日に行われる黄帝(中華民族の始祖)を祭るイベントです。春秋戦国時代に始まり、唐以降は慣行となり、平和期には朝廷が主催し、戦乱期には庶民が自発的に開催しました。1992年に新鄭市人民政府が「第一回炎黄文化旅行祭り」を開催し、2006年からは「黄帝故里拝祖大典」と改称され、2008年6月7日に国家無形文化財として中国中央政府に認定されました。
洛陽牡丹展示会は、中国四大花の展示会の一つ、1983年に始まり、既に29回行われています。2010年11月に国家級イベントとして文化部(日本の文部科学省にあたる)に認定され、「中国洛陽牡丹文化祭り」と改称し、文化部と河南省政府が主催します。開催期間、洛陽の「中国国花園」に幾千万の牡丹が延々と数キロも連なり、世界各地の観光客は咲き誇る花や蕾に迎えられる盛況は一ヶ月も続きます。