紙切細工

紙切細工は透かし彫り芸術の一つで、視覚の面から人に空間の感覚を与えます。材料は紙、金銀箔、木の皮、葉、布、皮などの薄いものです。切紙細工は中国で最も広く行われている民間芸術の一つで、長い歴史があります。古代の文献によれば、中国が紀元前６世紀に紙を作り始めて以来、薄い材料を透かし彫りにして作った工芸品は、すでに流行していたそうです。

紙切の歴史は、紙が出来た時と同じです。漢の時代に発明された紙は、紙切細工に大きいな影響を与えました。明清の時代に成熟した工芸になり、最も盛んな時期だと言われています。

一番早く発見された紙切工芸品は1967年に考古研究家が新疆ウイグル自治区で、北朝の時代の陵墓で見つけた祭り用のものです。これは紙切形成の証拠となっています。紙はかびがついて腐りやすいものです。中国東南部の気候は湿潤のため、長い時間の流れの中で壊れてしまった可能性が高いです。西北部は雨が少なくて極度に乾燥しているので、紙が保存できたのでしょう。このことが新疆ウイグル自治区で、北朝の時代の紙を発見できる重大な原因と見られています。

伝統的な作り方は鋏やナイフを使って彫っていきます。しかし、今では科学技術の発展により、レーザー・ビームで紙を彫るという方法も採用されています。手作りと比べて快適で、それに完璧な技術がなくてもパソコンに映像を取り込むだけで綺麗な作品も出来上げられます。

昔、人々は紙を使って様々な物や人物を作り、死者と共に埋葬したり、葬儀で燃やしたりしました。この風習は中国国外でも見ることができます。切紙細工は一般に象徴の意義があり、儀式の一部ともなっています。また祖先を祭ったり、仙人に供えたりする装飾としても利用されています。現在切紙細工は一般に装飾として利用されることが多いです。例えば、壁や門、それに窓、柱、灯り、灯篭などを飾ったり、贈り物の飾りとして使われ、切紙細工自体を贈り物とすることもあります。