東陵は、市の東部にある清の前身、後金の初代皇帝であるヌルハチの陵墓で、1629年に建てられたものです。正式名称は福陵ですが瀋陽市の東部に位置するので東陵と呼ばれています。一時は荒廃していましたが、今日では修復され現在は「東陵公園」として一般公開されています。2004年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に認定されました。北陵、永陵とともに清の関外三陵のひとつであります。
東陵に入って、まずびっくりさせられるのは、樹木の多さでしょう。当初は3万本余りの樹木が植えられましたが、幾度の戦争を経た今でも1600本の古木が生き残っています。なかでも松が殆どであり、高さがビルほどもある木もあります。両側の林に、皇室団地の前に設けられる場合が多い「下馬石」が立っており、「漢語」、「モンゴル語」、「満族語」3つの言葉で題名が書かれているほか、相当の年代物に見えることから東陵が建てられたばかりの頃に設けられたものだと推定されています。
東陵は北側が高く、南側が低い山の傾斜に建てられたものなので、2つの特徴を持っています。第一に、正紅門から碑楼までの参道には108段の石段があることです。第二に、丘陵が起伏する山地に建てられたので地勢によって上がり下がりしており、高く壮大に見えます。東領公園は、後ろ側は全体的に天柱山に凭れて、前側からは渾河に臨んでいます。地勢は南から北に行くほど高くなり、山に囲まれて古色蒼然とした雰囲気です。
南から順に大紅門外区、神道区、方城宝城区、3つの部分に分けることができます。中華人民共和国が成立して以来、東陵公園は念入りに守られる一方、新しいスポットも沢山設けられました。例えば、「龍浜釣り」、「森の浴場」、「杏林春暁」、「芳草雲天」、「龍尾観溪」、「御泉」、「妃子松」、「神亀」、「主を救う忠犬」など、歴史文物でありながら、園林やホリデースポットとしても輝いている公園です。