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河南省安陽市殷墟

「河南省安陽市殷墟(インシウ)」

  • 遺産種別:文化遺産
  • 遺産所在地:河南省
  • 世界遺産登録日:2006 年
泰山 殷墟

殷墟は河南省安陽市の洹水両岸にあり、中国で初めて文献に記載され、甲骨文や考古発掘により明らかになった商の時代の都の遺跡です。遺跡の総面積は24平方キロメートルで、青銅器、玉器、骨器など貴重な文物が数多く出土し、中には重さが875キロもある「司母戊鼎」は最も名を知られて、今まで世界で発見した青銅器の中で最大で最も重いとされています。

殷墟遺跡は規模が大きく、殷墟王陵遺跡、殷墟宮殿宗廟遺跡と洹北商城遺跡からなり、主には宮殿区、王陵区、一般の墳墓区、工房区、庶民住居区と奴隷住居区に分けられています。

宮殿宗廟遺跡

洹水の南岸にある小屯村、花園荘のあたりに位置し、総面積は71.5万平方メートルで、商王が政務を処理し、日常生活を送る場所で、殷墟遺跡の最も重要な部分です。

1928年以来、考古学調査によって宮殿、宗廟などの遺跡は80箇所余も発見されました。これらの建築はほとんどしっかりしていた土台に築かれ、木と土を主な建築材料とされ、建築の骨格は木の柱で構築され、壁は土で固定され、屋根は茅で覆われていて、素朴で美しいです。本館は高くて立派で、庭が左右対称で、中国伝統建築の手本となり、代々踏襲されてきました。

宮殿宗廟遺跡の西と南には敵の攻撃を防御するための塹壕があり、南北の長さは1.1キロで、東西の長さは0.65キロで、幅は10~20メートル、深さは5~10メートルがあります。塹壕の東と北の両端は洹河と繋がり、宮殿宗廟を囲み、水防や防衛施設を構築しました。

1976年に小屯村から100メートル離れる所に商王武丁の配偶者の婦好の墓も発見され、これは今まで発見した最も完全に残された墓です。墓の内は殉葬者が16人で、出土の文物は1928件があり、中には青銅器が468件、玉器が755件、骨器が564件があるほか、7000個ほどの海貝も掘り出されました。TOP↑

王陵遺跡

王陵遺址 王陵遺址

洹水の北岸にあり、宮殿宗廟遺跡と川を隔たって向かい合い、商時代の皇族墓地と祭祀場で、「司母戊鼎」の出土地として世界に名が広がりました。王陵遺跡の東西の長さは450mで、南北の広さは250mです。20世紀の30年代から今まで、ここで王陵(未完成の墓は一箇所ある)が13箇所、殉葬の墓が2000箇所余が発見され、祭祀、車と馬の坑も数え切れないほどあり、中から青銅器、玉器、石器、陶器など宝物が数多く出土し、ここは殷商の時代の王陵と学術的に認められ、中国古代文化芸術宝庫に燦然と輝く真珠のような存在です。

王陵の多くは「亞」、「中」、「甲」という字の形をし、墓室の規模が大きくて立派です。面積が最も大きな王陵は1803平方メートルで、深さは15メートルもあります。墓の内部に出土した埋葬品が世界中にもその比をみないほど綺麗で、殉葬の人の数も非常に多く、殷王朝の王侯、貴族の身分の高さと尊厳が示されています。TOP↑

洹北商城遺跡

殷墟遺跡の東北部にあり、その西南面は伝統的に言われた殷墟遺跡で、両方は少し重なりました。この遺跡は方形をし、南北の長さは2.2キロで、東西の長さもほぼ同じの2.15キロです。遺跡の周りは城壁の礎があったと確認されました。

洹北商城の宮殿区は南北方向の中軸線の南端にあり、商城の一番重要な部分として、中国古代の城の構造の特徴を示しています。宮殿の南北が500メートル以上、東西が200メートル以上あります。その内、大型の盛土遺跡は30箇所以上も発見されました。その中、最も名を知られている「一号宮殿遺跡」は規模が最も大きく、面積が1.6万平方メートルもあり、今まで発見した商時代で最大面積の単独の構築物とされています。遺跡の宮殿区以北は昔住民の遺跡が沢山分布し、総面積が200万平方メートル近くの範囲内に、住居の跡、墓、竪穴、井戸などが数多くあります。TOP↑

後母戊鼎 後母戊鼎

後母戊鼎

今は「後母戊鼎」と改名されたこの青銅器は河南省安陽市に出土しました。考古学者の研究によると、鼎の内壁中部にある「後母戊」という三文字は商王武丁の王妃である婦妌の法名だと考えられています。この鼎は商王武丁の息子が母親を祭るために鋳造し、商と周の時代の青銅器を代表した器物です。曾て「司母戊鼎」や「司母戊大方鼎」と命名されました。今は中国国家博物館に収蔵し、世界で出土した最も重い青銅器で、内外に誇れる「国宝」と言えます。

この鼎は高さ133センチ、長さ112センチ 、幅79.2センチ、重さ832.84キログラムで、器の内壁に「後(后)母戊」という三文字が刻まれたから「後母戊鼎」と名付けられました。TOP↑

殷墟と甲骨文

甲骨文 甲骨文

殷墟から出土した亀甲・獣骨は計15万件甲骨文字は約4500個に達し、その中1500個の文字は解明されました。商の時代の支配者は迷信を信じたため、何事をするにも甲・獣骨で吉凶を占い、そして占いに関すること(占いの時間、占いの師、占いの内容、占いの結果など)を亀甲・獣骨に刻み、保存書類として皇族の官吏に保管されます。これら亀甲・獣骨に刻まれた内容は商の時代の社会生活のいろいろな面にも及び、政治、軍事、文化、社会民俗のほか、天文、暦法、医薬などの科学にも触れました。TOP↑

殷墟車馬坑

殷墟から発見した殷代の車馬坑には馬車の実物が出土したことによって、中国は世界で最も早く馬車を発明し、利用した国であることが明らかになりました。

殷墟宮殿宗廟遺跡に展示している6箇所の車馬坑は中国社会科学院考古研究所―安陽拠点と安陽市文物研究部門がそれぞれ安陽劉家荘北地、南地と孝民屯東地に発見した遺跡で、この6箇所の遺跡は完全に残され、考古研究に高い価値を有し、見る価値が充分あります。6箇所の車馬抗には、それぞれ一両の馬車があり、その中5箇所の坑に各2匹の馬、4箇所の坑に各一人の殉葬者も発見されました。

考古学の研究によると、殷代の馬車は形が美しく、車体が軽量で、構造が堅牢でバランスも取れているので乗り心地がよいです 。殷墟車馬坑は古代の畜力車の中国の発展程度を示す一方、奴隷社会の残酷な奴隷の死者に殉じた殺戮制度も反映しています。TOP↑

観光案内

住所:河南省安陽市小屯村候家荘北地

営業時間:夏(4月~9月) 8:00~18:30、冬(10月~翌年の3月) 8:00~17:30(入場券の発売は夏の17:30、冬の16:30までとなります。)

交通アクセス:1番、15番バスをご利用いただけます。

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